6艇だから当たりやすい
競馬・競艇・競輪・オート、日本にある4つの公営ギャンブル、その中で最も安定して収益を上げられるギャンブルはズバリ競艇である。
その第一の理由に、競艇は他のギャンブルに比べて圧倒的に買い目総数が少ないことが挙げられる。
フルゲート18頭の競艇に対して競艇は必ず6艇、3連単の買い目総数で表すと競馬が4896通りに対して、競艇は僅か120通りしかないのだ。
その反面、配当的妙味が薄いのではと思われる方が大勢いるかも知れないが、実はそんなことはないのだ。
平均配当は7,086円、これは仮に60点買いで買い目半数以上を押さえてもプラスになる算段が立つ数字である。
各券種の的中確率は以下の通りになる。
単勝 | 1/6 | 複勝 | 1/3 |
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2連複 | 1/15 | 2連単 | 1/30 |
3連複 | 1/20 | 3連単 | 1/120 |
3連複 | 1/20 | 拡連複 | 1/5 |
6艇のカラーは以下の通りになる。
1号艇 | 白 | 2号艇 | 黒 |
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3号艇 | 赤 | 4号艇 | 青 |
5号艇 | 黄 | 6号艇 | 緑 |
レースの条件
競艇のレースはすべて統一された【周回方向】【周回数】【出走艇数】でお行なわれる。【周回方向】は全てが左回りで、ホームストレッチでは常に向かって左から右へとボート走っていく。
【周回数】は、すべて3周、2つあるターンマークをそれぞれ3回、計6回旋回する。
(※天候不良、高波、強風など危険と判断された場合は2周に変更されることもある)
1周600Mを3周で1800Mの距離で争われる。
【出走艇数】は、すべて6艇。これ以上もこれ以下もない。
(※出走直前に欠場艇が出た場合はその限りではない)
まとめると、競艇の全レースは左回りの3周戦(600M×3=1800M)を6艇で争うということになる。
レースの流れ
1、進入
競艇のレースはピットから艇を発進させるところから始まる。「始動」の合図でエンジンをかけ、「出走」の合図で一斉にピットアウトとなる。2マーク奥にピットが設置されているのがオーソドックス。ピットでは艇番通りに内から1号艇、2号艇、3号艇、4号艇、5号艇、6号艇と艇番通りに並ぶ。つまり1号艇が1番小回り防止ブイに近いことになり、逆に6号艇が一番遠くになる。
ピットアウト後は【進入】という重要な戦いが待っている。【進入】とは簡単に言うとコース取りである。ピットでは艇番順に並ぶが、実際のスタートではその通りに並ぶ必要はないのだ。おのおのが自分の作戦で好きなコースからスタートできるのである。とは言っても競艇は「1コースが圧倒的に有利」が基本定理にあるため、ほぼ全ての選手は「内よりのコースを求める」ことになる。つまり【進入】とは「内側コースの取り合い」ということになる。
コース取りは早いもの勝ちになるため、当然そこにはルールが存在する。ピットアウトした艇は、小回り防止ブイをバックストレッチ側に旋回しなくてはならない。そして2マークを越えてホームストレッチ側の水域に入った時に艇先をスタート線方向に向けた瞬間にコースが確定する。すなわち、1番最初に艇先をスタート線方向に向けた艇が1コース、最後に向けた艇が6コースということになる。前述したようにピットの段階で小回り防止ブイに一番近いのが1号艇である。つまり1号艇が最も1コースを取りやすいということになり、艇番が若ければ若いほど内よりのコースに入りやすいということになる。極端な言い方をすると「1号艇が最も勝利に近い位置にいて、6号艇が最も遠い位置にいる」ということになる。とにかく競艇は1コース断然有利、すなわち1号艇が断然有利ということは忘れてはならない。
2、スタート
コースが確定したら、次はスタ-ト。競艇のスタートは【フライングスタート方式】が採用されている。陸上競技のような合図とともに斉にスタートとは違い、各選手がそれぞれタイミングを計って艇を発進させて規定の時間内にスリット線を越えるというものである。規定の時間、すなわちスタートタイミングを示すのが大時計となる。12秒針と呼ばれるオレンジの針が「0」を示した瞬間がスタートタイミングになる。
エンジンの特性上、発進させて、いきなりトップスピードとはいかない。スピードが最高速に達するにはある程度の距離つまり助走が必要になるわけだ。
【フライングスタート方式】とは「助走をつけてスリット線に突入」していくもので、全艇がスピードに乗った状態でスタートを切れる方式なのである。また【フライングスタート方式】では大時計が0を指してから1秒以内にスリットを通過しないと出遅れとなり欠場となる。逆に0.01秒でも速ければフライングとなり同じく欠場扱いとなる(※舟券は返還されるのでご安心を)。【フライングスタート方式】ではスタートタイミングを向かえてから1秒以内の範囲だったらどれだけ速くスタートしてもいいので「より速いタイミングでスタートしたものが、レースの主導権を握れる」ことになる。
3、1マーク攻防
スタートを切ると150M後に最大のヤマ場【1マーク】が訪れる。選手たちが最初に旋回する1周目【1マーク】、6艇が一斉にターンする唯一のターンマ-クであり、ここが競艇の最大の見せ場となる。そして、【1マーク】を旋回しバックストレッチに出た頃にはレースの大勢は8割方決まってしまうのである。1着艇は9割方決まるといっても決して過言ではない。
【1マーク】での戦法は大きく分けて、【逃げ】・【差し】・【マクリ】の3つ。
逃げ | インコース(1コース)の戦法。インから真っ先に【1マーク】に辿りつき、そのまま最初にターンする。要するに1コースのみの戦法。逆を言えば1コースからの戦法は【逃げ】しかありえない。 |
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差し | 2~6コースの戦法。内の艇が先にターンしたところを内から追い抜く。スピードをつけての180度の旋回では遠心力がかかって旋回半径が大きくなる。そこで開いたフトコロをつくのが【差し】ということになる。 |
マクリ | 2~6コースの戦法。内コースの艇を抑え込んで、真っ先に【1マーク】に辿りつき、そのまま最初にターンする。内の艇を呑みこむ豪快な戦法。 |
選手たちは、他の艇の様子を見ながら【1マーク】でどの戦法をとるか瞬時判断し勝負に出る。6選手間の思惑が激突、その間隙をついた選手が1マークの攻防を制し、そのままレースをも制すのである。
4、2マーク以降の攻防
ボートレースの場合、どうしても後ろを走っている艇は、先行艇の引き波の影響を受けてしまうため不利になってくる。理想的なコース取りが出来ないことも合わさり、競艇で前を行く艇を抜かすのは至難なのである。
しかし、1周第2ターンマーク以降も熾烈な2、3着争いは続くし、時には1着の逆転も見られ、最後まで気の抜けない勝負が繰り広げられる。